バックアップ回線の高額通信事故に関する注意喚起

バックアップ回線の高額通信事故に関する注意喚起

平素よりご利用いただきありがとうございます。

最近では、Starlinkなどの大容量通信が普及し、船舶における
Eメールの利用量が急増しています。
一部の船舶では、月に1GB以上のメール通信を行うケースも
珍しくありません。

この状況下で、バックアップ通信時に高額な通信料金リスクが
発生する可能性がありますので、ご注意いただきたいと思います。

通常、バックアップ回線(FBBやCertusなど)は、メイン回線が
障害を起こした場合に、メール通信のみを継続できるように
ファイアウォールで他の通信をブロックするように設定されています。
このため、バックアップ回線ではWeb通信やDNS通信は発生せず、
これまでは過大な通信(通信料金)は発生しませんでした。

しかし、メール通信量の増加と通信プランのMB当たりの通信料金の
増加という2つの要因により、バックアップ通信の料金が数千ドルに
及ぶ事例が発生するようになりました。

例として、メイン回線のVSATが一か月近く不通となり、
その間のすべてのメール通信をバックアップ回線で行った場合などです。
従来のケースではバックアップの利用が数日程度であれば
通信料金は数百ドルに収まりました。しかし一か月間メイン回線が落ちて、
月に流れる1GBものメール通信がすべてバックアップ回線に流れた場合、
その通信料金は$10,000を超すことがあります。

この料金の増加は、バックアップ回線の通信プランが基本料金の低い
少量プランであることが影響しています。
基本料金の低いプランは、MB当たりの通信料金が高額になる傾向があります。
メール量の増加とMB単価の増大が掛け算となって、通信料が想定外になる
リスクがあります。



下記にメイン回線とバックアップ回線の組み合わせで、リスクのあるケースと
ないケースを分類しましたのでご確認ください。

リスクのあるケースでは、「プランの見直し」または「Warning、Suspend」の
設定を行い、過大な利用を未然に防げるような方策を講じてください

ケースA: リスクのない組み合わせ
 ・GX+FBB           FBBに切り替わったときの料金は固定
 ・VSAT+FBBバックアッププラン FBBに切り替わったときの料金は固定
 ・VSAT+Certusバックアッププラン Certusに切り替わったときの料金は固定
 ・Starlink+VSAT固定プラン    VSATに切り替わったときの料金は固定
 ・Starlink+FX          FXに切り替わったときの料金は固定

ケースB: リスクのある組み合わせ
 ・VSAT+FBB従量制
 ・VSAT+Certus従量制
 ・Starlink+VSAT従量制
 ・Starlink+FBB従量制
 ・Starlink+Certus従量制

  (対策)
  ・想定されるバックアップ量に見合った料金プランを選定する
  または
  ・過大な通信量になった場合に警告がでるWarningを設定する
  ・過大な通信量になったときに自動的に通信が止まるSuspendを設定する

Warning/Suspendは契約するキャリアによって対応が異なりますのでご相談ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。

PAGETOP