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- 船舶IT機器の電源瞬断対策に関して
平素よりお世話になっております。
最近のサイバーセキュリティ審査の場面において、「本船IT機器の電源瞬断対策」について指摘を受けるケースが
ありましたので注意喚起いたします。
船舶内のIT機器については本船発電機より電力供給されますが、
・発電機の切り替え
・入渠時の陸電との切り替え
などのタイミングで瞬間的に電力が途絶し、機器にダメージを与えることがあります。
この対策としてUPS(無停電電源)の設置が有効ですが、すべての機器がUPSを必要としているわけではありません。
一般にUPSの設置要不要は船内ネットワーク構築時にリスクアセスメントをともなって構成設計されています。
したがって、UPSの要不要について各社の判断基準をSMSマニュアル上に明記する義務はありませんが、
指摘をうけてマニュアルに記載することとなった場合、下記の判断基準を参考としてください。
・運航系機器(OT)
一般にメーカーがUPSの要不要を判断しており、必要な機器については設置済みです。
船主としては追加対策を必要としません。
・情報系機器(IT)
(1)ノートPC
ノートPCはバッテリー内蔵のため、UPS不要です。
(2)デスクトップPC
デスクトップPCは瞬断に弱いため、UPSを必要とします。
業務上重要でないPCについてはUPSを省略できますが、その場合はリスクアセスメント記録を伴うことを推奨します。
(3)インテリジェントルータ(例、ORION PLUS、Infinity,Xchangeなどのキャリアルータ)
船内ネットワークを管理したり、上流通信を管理するインテリジェントルータはUPSが必要です。
(ORION PLUSの場合は原則UPSを設置しています)
(4)NAS、データサーバ類
重要なデータを保持する機器ですのでUPSが必要です。
(5)HUB、WiFi-AP
瞬断で再起動がかかりますが、一般論としてUPSは不要です。
(6)プリンタ、周辺機器
一般論としてUPSは不要です。
この他、ご不明な機器がございましたらお気軽にお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。