傭船社によるオンラインレポートシステムの導入に関して

お客様各位
 
平素よりお世話になっております。
 
2021年度に入り、各傭船社による「オンラインレポートシステム」の導入の
動きが出てまいりました。これは現在E-mailにて送信している
Noon ReportやPre-Arrival Noticeなどの文書を、オンラインWEBアクセスにより
入力するものです。
 
傭船社がこのようなシステムを採用する理由として、
・本船運航データのオンラインデータ化により、二次利用が容易になる
・メールを経由せず、直接WEBサーバに運航データを入力することで、
 データの保全性機密性が高まる
というメリットがあります。現在複数の船主・管理会社よりこのようなシステムを
導入する相談を受けております。
 
ここで注意が必要なのは、VSATやFXを搭載していないいわゆる「メールのみ船舶」
でこのようなシステムを運用する場合の手順です。VSATやFX導入済みの
ブロードバンド船舶ではこの種の「オンラインレポートシステム」を特に問題なく
運用可能ですが、メールのみの通信で、FBB(もしくはIridium)の小容量プランで
運用している船舶ではそのままでは運用が困難です。具体的には以下の対応が
必要となります。
 
(1)オンラインレポートシステム運用のために十分な通信プランへの変更
 →FBBやIridiumのままでも、ある程度大容量のプランに変更すれば
  運用は可能です。
 
(2)WEBアクセス可能にするための、本船セキュリティ環境の見直し対応
 →キャリアフィルターの変更
 →本船FBBフィルターの変更
 →本船Firewallの変更
 
(3)本船にてWEBアクセスが可能になることによる、リスクアセスメントの再実施
 →今まで考慮しなくて良かったリスクが発生することになります。
 →運用ルール、Anti-Virus、セキュリティについて再構築する必要があります
 
(4)プラン変更及び対策実施による費用負担について
 →上記(1)(2)(3)にはいずれもコストが発生します。
  このコスト負担に関して、傭船社と費用負担について相談する必要があります。
 
 
 もし現在管理中の船舶において、傭船社よりこのようなシステムの導入を
打診された場合、お手数ではございますが必ず弊社までご一報ください。弊社にて
検証を行ったうえで、必要な対応について提案いたしたく存じます。
 
 通信方式の変更は本船のサイバーセキュリティ対応にも大きく影響する
事柄ですので、事前に必ずご相談いただけるようお願い申し上げます。

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