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お客様各位
先立って配信した「ORCA NEWS 船舶と連携可能なリモートワーク環境の構築について」
において、会社側で船舶と接続しうるクラウドサービス(Office365,G-suite)を利用した
構築について解説をいたしました。今回は構築された陸上のリモートワーク環境を用いて、
本船に接続するための手順について解説いたします。
1.本船に必要な通信環境の整備
陸上のクラウドサービス(Office365、G-suite)はいずれもインターネット回線を
利用したサービスですので、これと接続するためには本船側にも常時接続可能な
ブロードバンド回線が必要です。本船で利用可能なブロードバンド環境は
多数ありますが、それぞれのパフォーマンスで実用しうる機能は以下の通りに
なります。
FBB | VSAT | FX | 3G/4G | |
文字チャット | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
音声通話・会議 | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
ビデオ通話・会議 | X | △ | △ | 〇 |
*回線費用は固定料金の契約を前提とする
あいにく最新のFX環境であっても、スムースなビデオ会議のための
十分な帯域は確保できません。「何とか使えるレベル」とご理解ください。
入港時に使える3G/4G回線であれば、ビデオ会議においても
実用的なパフォーマンスが得られます。FX設置済み船舶におかれましても、
入港時にはより良いパフォーマンスのために3G/4Gをご利用ください。
また、3G/4Gはブロードバンド回線を持たない船舶でも利用可能です。
現在のコロナウィルスの状況下では新規にVSAT/FX回線を工事することも
困難になりつつありますので、当面のつなぎとしても3G/4G回線の本船支給を
推奨いたします。
すでに回線の条件がそろっている場合、各サービスが利用する通信ポートの
許可設定が必要です。こちらも弊社でお手伝いいたします。
2.船舶用アカウントの作成
上記のクラウドサービスを船陸間で利用するためには、船舶側にも
アカウントが必要です。Office365とSkypeの場合は船側は現在使っている
船のメールアドレスでアカウント登録します。G-suiteご利用船社の船舶では、
@gmail.comでアカウントを作成します。
この際に注意が必要なのは、会社ドメインで船アカウントを作らないという点です。
船アカウントでログインしたときに会社クラウドに入ることを防止します。
これはサイバーセキュリティ上の理由なのですが、こちらに関しては別の機会に
解説いたします。
会社が使っているクラウドサービス 船アカウント
Office365 現在の船アドレスでTeamsアカウント作成
G-suite @gmail.comで船アカウントを新規登録
Skype 現在の船アドレスでSkypeアカウント作成
3.本船PCの設定
アカウントができれば本船もチャット、通話、ビデオ会議を利用可能になります。
クラウドサービス 利用方法
Office365 Teamsソフトを導入して起動
G-suite ブラウザよりログイン(Edge,Chrome)
Skype Skypeソフトを導入して起動
いずれも起動してログイン状態で、相互に呼び出して通信可能です。
4.船舶用スマートフォンの活用
上記の通信はPC上でも運用できますが、本船に専用のスマートフォン
またはタブレットを支給して使う方法が有効です。スマートフォンであれば
船長が常時携帯することにより、必要なときにオンタイムにやり取りを開始
することができます。また、持ったまま船内を移動できるので、本船上で
何か事故が起きた場合や船長室以外での会議などで活用できます。
スマートフォンと船内LANの接続には、専用の無線WiFi-APを設置します。
弊社のORiON PLUSメールプレミアムでは、こちらのスマートフォンと
WiFi-APの設置までトータルで提供いたしますので、ぜひご利用ください。
以上が本船と陸上を最新のクラウドサービスで接続する方法です。
陸上側船舶側の両方の整備が必要ですが、通信回線の向上によりここまで
実現できるレベルになりました。今回の新型コロナウィルスの状況下において
整備の重要性がより高まったと考えております。
弊社ではこれらの整備について支援しております。ご関心のあるお客様に
置かれましては、ぜひご相談ください。