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- 船陸間通信の新機軸 VSAT国内販売開始
お客様各位
平素よりお世話になっております。
この度、船陸間通信の新機軸であるVSATシステムの国内販売が始まりましたので、ここにご紹介いたします。
1.VSATとは
インマルサットとは異なる衛星通信システムで、高速なデータ通信を提供するものです。専用のアンテナを装備することにより、登り下り共にインマルF,FBよりも高速な通信環境を実現します。
中でもその課金方式が特徴的で、月額固定であることが大きな特徴となります。
日本ではスカパーJSAT社が「OceanBB」というサービス名で取り扱っております。詳細に関しては下記ページをご参照ください。
https://www.jsat.net/jp/satellite/oceanbb/ocbb_whats.html
2.VSAT導入のメリット
月額固定方式であることが以下のメリットを産みます。
(1)IP電話を利用すれば、本船との音声通話が無料となる
(2)E-mail通信においてデータサイズを気にしなくて良くなる
(3)通信費削減のための特殊な海運用メールシステムを利用する必要がなくなる
(4)常時接続が実現できるので、WEB経由の通信などが利用しやすくなる
(5)アンチウィルスの定義ファイルも、毎日自動更新が利用できる
(1)(2)(3)の通信費削減のメリットに加え、(4)(5)については船舶ITの環境を大きく向上しうるメリットであるといえます。
また(3)に関しては、船舶メールソフトの必要要件を大きく変えるもので、業務用メールシステムとCrew用メールシステムに大きな自由度を与えます。
3.VSATのデメリット
デメリットはやはり初期費用と月額使用料がインマルF,FBに比較して高額であるということです。
弊社の試算ですと、VSAT導入による通信費削減効果を見込むためには、導入前の衛星通信費用が月額$3,000程度必要です。逆にいうと、それ以下の通信費用で収まっている船舶は、現在の利用量ではVSAT導入してもペイしません。
また、データ通信のための機器ですので、インマルF,FBの用に、電話、FAXの機能は提供されないことにご注意ください。音声通信、FAX送信も可能ですが、あくまでもPCを経由したIPデータ通信である点がポイントです。
4.各船種における検討の目安
(1)新造船
タンカーやケミカルタンカーのような、月の通信量が非常に多い船舶においては、新造船の時点でVSATを導入することは検討する価値があると考えます。月額費用は高いですが、固定であるので予算もたちやすいと考えます。
(2)既存船(インマルFB)
既にインマルFBが入っている船舶は、そのままFBを利用するのが適切であると考えます。
(3)既存船(インマルF)
インマルFで通信量が非常に多い船舶(月額$3000を超すケース)では、VSATを導入する価値があると考えます。ただし、FBへの換装と費用を比較検討が必要でしょう。
(4)既存船(インマルB)
インマルBは2012年でサービス停止しますので、早急に換装を御検討ください。ただしインマルB装備船舶は船齢もそれなりですので、今後の使用を継続する年数も合わせて検討する必要があります。ほとんどのケースでは、FB250またはFB500への乗換えが適切と考えます。
5.まとめ
船陸間通信に「通信費月額固定」という概念を導入したという意味で画期的であると考えます。今後の方向としては「より高速」「より安価」に船陸間データ
通信は進んでいくでしょう。
弊社のメールシステムはそのままVSATにも対応します。また、VSAT環境下での最適な船舶ITのあり方も提案可能です。お気軽に御相談ください。
より詳細な内容について、個別に御相談いただければ幸いです。弊社の張または横山にご連絡ください。
何卒宜しくお願い申し上げます。
株式会社オルカ
代表取締役
張 思園