- HOME
- ニュース&レポート一覧
- ウィルス感染及び自動アップデートによる通信費事故に関して
最近、「ウィルス感染、または自動アップデートによる通信費事故」が多発し ております。下記に情報をまとめましたので、ご参照の上ご注意いただければと 存じます。
1.事故の概要
本船上のPCがウィルス感染したり、本船上での利用を想定していないソフトウェアを導入した場合、E-mail通信時にPCがE-mailとは無関係なデータ通信を行ってしまうことがあります。本船の感覚としては通信が遅くなったように感じられるのですが、E-mail通信そのものは成功するため、問題があると認識しづらいのが特徴です。
しかしながら、バックグラウンドで行われているデータ通信(ウィルスの通信、ソフトウェアの自動更新、定義ファイルの更新など)により、後日著しく高い通信費請求を受け取ることになります。
2.事故の原因
本船のウィルス感染はもちろんのこと、船員が不用意にPCの設定を変更したり、管理されていないソフトウェアの追加を行ってしまったことが原因となります。
これにより、月間USD10,000超えの通信費請求を受けたケースもあります。また、通信費請求は通常2~3ヶ月遅れで届きますので、発覚が遅れるのも特徴です。
3.このようなトラブルを防ぐために
本船のPC設定は特殊な環境下での利用を想定しているため、極めてデリケートになっております。不用意に設定を変更することのないように充分ご注意ください。
また、周辺機器の追加やソフトウェアの追加が、このような問題を起こす危険性は非常に高いです。何か構成の追加変更を行う場合は必ず事前にご相談ください。
4.地上局によるフィルタリングサービス
このようなトラブルの続発により、地上局でも対策にご協力いただけることになりました。具体的には、インマルF-MPDS通信を利用している船舶に関して、そのIDを地上局に登録することで、本船からのWEB通信を利用できなくする仕組みです。これを設定すると、E-mail接続以外のインターネット通信ができなくなります。
現在、KDDIとSTRATOSにて対応が可能です。ご希望のお客様は、申込書を送付いたしますので弊社までご連絡ください。
5.まとめ
海運業界をとりまく環境は厳しくなっており、コスト削減の圧力が高まっているようです。しかしながら、当事故のようなケースでは一度のトラブル発生で数千ドル単位の損失が発生してしまいます。
人為事故で無駄なコストを発生させないよう、充分注意していただければ幸いです。